6月8日(木)・初岩魚を求めて彼は行った。

 

彼の名誉と当日のズル休みを考慮して、実名は伏せます。

 今期、釣果のない彼は、「やっぱ釣りは平日だー」 「平日に行けば恐れることはない」 「これで、初釣果も間違いないや」 と、午前2時出発を事務局長に宣言。事務局長は、「えっ? 行くの?」 えらいこっちゃ。休まなくっちゃ。でも午前2時は早すぎるよ。「じゃあ、平日だから6時でも釣れるなー」 ということで、当日6時に出発。車中、「どこへいこう?」 「平日だからどこで釣もれるはずだー」 「せっかくだがら、でかいのがいいねー」 「じゃあ、ダムからの遡上があるところだな」 「でがい魚といえば、やっぱ御母衣ダムだよな」 「ん、じゃぁ、尾神郷か、森茂川か、六厩川というところだな」 やがて、牧戸に到着。「一色川もいいな」 「それは帰りにしようぜ」 「あぁ、森茂は遠いから六厩にしよう」 やがて、六厩林道のゲートが見えてきた。見れば開いている。ラッキーだ。行ける所まで車で行こう。開いているはずだ、すぐ林道は崩れてストップ。ここから1時間歩いて下流に下り、釣り上がってくる、気合いの入った計画。昨年の記録的大雨で、六厩も、変わってしまっていた。林道は所々崩れて、川も埋まっていたし、川岸の樹木も流されて、砂漠の川、状態だった。文句タレタレ林道をひたすら歩き、バック・ウォーターまで半分の所にある飯場小屋跡から入る。川は埋まっていて壊滅したか? と、思われたが、所々に点在する淵のヒラキでライズがあったり、淵の底にいるイワナを見たりしたので、魚は生息している。が、ライズも何もとれなかった。ライズは、淵のヒラキでブユが集合して、産卵行動をしているのを、めがけてライズしているようだった。しかし、いろいろ試したが結局とれなかった。彼は一度だけ、ヒラキで掛けたがバレてしまったらしい。事務局長は右足のかかとが靴擦れを起こし、マメが潰れてビッコになり、彼は日頃の運動不足で、息があがり、ヒザが痛い。魚は出ないし、川原ばかりで、あついし、で、計画の半分もやらずにギブアップ。再度林道を歩いて車に戻る。時はすでに正午をまわっていた。車が見えたときの感動と言ったらなかった。

 買っておいた弁当をむさぼり食い、事務局長は靴ズレを手当して、六厩脱出。一色に向かう。一色も変わっていた。スキー場から奥がやりたかったが、ゲートの所に地元の人らしき姿が、何か言われるのもイヤだから、赤いバンガローからスキー場までをする。ここで、足の治った事務局長、25pの岩魚と18pを2匹。#16アントで釣る。彼は一度出たが掛けそこなう。さすが一色、平日午後なのに7人のフライマンを見る、入渓しているのをあわせると結構な数だろう。 ここで、時はすでに3時半、最後のシメは 「石徹白の第一堰堤のプールで初岩魚だー」

 ひるがのをグルグル降りて、前谷をグルグル上がり、第一堰堤到着。水量平水少し高めかな。それよりも、水温が低いぞ。5pほど増えているな。気温の上昇で、源流部の雪が融けたか? 100メートル程下り、堰堤まで釣り上がる。彼は1匹27pほどのを掛けたが、取り込みに失敗して、全自動リリースになった。巻き返しにフライを浮かべて我慢していたら、下からユラユラと浮上して、嫌々食べた岩魚。活性が低いか?

期待していた、堰堤のライズもなくて寒くなり、「もう、やめようか?」 で終了。

「平日なのに、なんで」

と、彼の期待は、見事にはずれ、恨みの言葉をのこして、川をあとにしたその頃、馬瀬では幸せなひとときを過ごしていたヤツがいたのを、帰宅した事務局長と彼は聞き及び、ショックを受けた。