「山田伸チャを励ます会」、最初で最後の活動 in 石徹白

 

 ついに「山田伸チャを励ます会」が活動を開始した。アヒル倶楽部古参会員で、(現)虎兎会釣り倶楽部の会長である彼は、自分で育てた虎兎の弟子どもに、釣果で差を付けられ、なおかつ、大物の夢を追いかけては、ことごとく失敗。虎兎の弟子達も、「どうも我が師匠は、尊師とは違うようだ」とマインドコントロールから目覚めて、言いたい放題、書きたい放題。それゆえか、はたまた期待はずれの釣果からか、山田伸チャは、5月頃より、精神に異常をきたし、石徹白で手を振りながら帰ったり、弟子のねぐらで、クダ巻いたりしていたのを、アヒル倶楽部が知り、古参会員が道を踏み外そうとしている、まっとうな釣師にしなくてはならない。と、「山田伸チャ再生委員会」がひそかに結成されていた。そうなんです。「山田伸チャを励ます会」とは、実は「山田伸チャ再生委員会」だったのです。もう一度、アヒル精神をたたき込んで、まっとうな釣師にしようとする、ありがた〜い愛のムチだったのであります。

 

 7月20日()午前2時に、山田伸チャ、坪先生、事務局長の3人は、石徹白に向かった。梅雨明け前から雨降らず渓流は超渇水。夏休みに入って混雑が予想される。最初は、木曽の上松小川、阿寺川方面へ行こうかとも思っていたが、知らない川へ状況が悪い時に行くのも難がある。やっばり慣れている石徹白にしよう。日中はまともな魚は出ないから、早朝が勝負。ということで午前2時出発で、途中のサークルKで朝飯を調達。ここでも伸チャは、店舗のガラスにとまっているバッタを「おぉ、いい餌になるなぁ」 と、ビニール袋に入れている。石徹白への峠道では、「ヘビがいた」 と、飛び降りて行く。ところが、ヒキガエルだった。坪先生と事務局長は、「いいかげんにしてよ」 という感じ。なんとか午前4時半に現地到着。今回、セッティングしたのは、昨年、伸チャが惨敗した上流部ではなく、深い瀬がある伸チャ好みの下流部。「再生委員会」は、ちゃんと彼のために考えてくれているのだ。入渓場所に行くとすでに車が停まっている。伸チャは「こっちは3人だから」 と数にモノ言わせて入る。というが、少し上流から入ることにする。川がカープしているので、先行者にも十分なエリアを残せるし、川が大きいから後攻になっても魚は釣れる。他の釣り人への配慮もまっとうな釣師の心得なのだ。川原に降り立つ3人組。伸チャは7bの女房に内緒のシマノ本流竿。事務局長師弟組は上流へ、伸チャは下流へ。ふと見ると伸チャの竿が曲がっている。さっそく釣ったか?と、ビデオ片手に駆け寄る事務局長の目に飛び込んできたのは、20pほどの岩魚。駆け寄る間に、すでに血抜きされて、ハラワタも抜かれた岩魚がブラブラ。伸チャは岩魚をバカにしているフシがあるので、「なんだ岩魚かぁ」 という表情。アマゴの方が賢くて釣るのが難しいと思っているので岩魚が釣れても、おもしろくなさそう。ここで、事務局長に 「もっとうれしそうな顔をしなさい」 と、叱られる。魚に失礼じゃありませんか。星の数ほど釣ってて、ここらで行ったことのない川はない。というのであれば別だけど。先に釣った伸チャは「君たち、先に行ってもいいよ」 なんていうから、坪さんが心配な事務局長は戻る。坪さんは、支流、源流派なので、こういう大きな川でも、こまかいポイントを釣っている。大きいの釣りたければ、太い水流のあるポイントを釣らないとダメよ。初夏の定番の稚魚放流で、小さいアマゴが出ちゃって困る困る。フライは、故意にアワセなかったり、大きいフライを使うことで小さい魚を釣らなくて済むが、餌釣りはそういうわけにはいかない。当然、伸チャにも稚魚が食いつく。その度ごとに、餌を付け替えていると、スローペースになるし、伸チャ好みのポイントが多い事もあって、待てども釣り上がってこない。待っていても仕方ないので、先に進む。大場所がすんで、浅いフライ向きの渓相になった。坪さん、楽しそう。事務局長、ビデオ撮影する。「伸チャ以上の魚を釣らないと、いかんなぁ」 と事務局長。ここで、あまやかしては、彼のためにならないのである。心を鬼にして、マジメにやると、22pの幅広アマゴをゲッチュ-。上の林道をニコニコしながら通り過ぎる伸チャ。事務局長も上がって、アマゴを見せる。坪さん 「伸チャの負け」 とストレート。それを聞いた伸チャが 「釣りは、勝ち負けじゃないやい」 と言うが、他人の釣果を、気にする彼にとっては、内心穏やかではなかったか?まぁ、坪さんに釣られた訳じゃないからね。ここで第1ラウンド終了。伸チャは最初の岩魚と、針を飲まれて仕方なくシメた稚魚アマゴが数匹。坪さんは17p以下は魚じゃない。とのポリシーなのでキープはしてないが、13p程度のアマゴを3匹。気温はグングンあがって、暑い暑い。上流へ移動。途中、缶ビールを買って、第2ラウンドの堰堤群へ行くが、どこも人だらけ。やらずに帰るのも中途半端なので、第5?堰堤付近から降りる。第2ラウンド開始。ここで伸チャは、板取仕込みの山田流テンカラをするという。毛針 対 毛針だぁ。と坪さん、ガゼン張り切る。ライバルは伸チャだ。山田流テンカラは、テンカラ・ラインが長すぎて、トラブル続出。早い話が、その場所に合っていない仕掛けなわけ。「板取じゃぁ、これでいいんだけど」 というが、ここは板取じゃない。事務局長に 「切ったら?」 と言われるが、「もったいない」 らしい。「老眼で、毛針もどこにあるかわからないし」 と、のたまう。坪さんは、たまに出るチビさんと遊んでいる。「伸チャ、反応ある?」 と坪さん。「何もない」 「そうか、オレにはパシャって出るぞ」 と、ジャブを打ち込む。終点の堰堤が見えてきた。暑いし、今日はこれで終わりだなぁ。と思っていたら、突然の大声。「伸チャ見てー。アマゴ釣ったぞー。オレの勝ちだー」と、チビ助を持ち上げて、勝利のポーズをしている坪さん。事務局長が記念のビデオ撮影をしてあげようと、ビデオカメラ出している間に、「あー、落ちたー」「でも、釣ったモンね」と、再度の勝利宣言。またまた、伸チャ 「釣りは、勝ち負けじゃないの」 というが、坪さんの勝利宣言はウムをいわさない迫力があった。本日終了。行き帰り伸チャに運転させて、尚かつ、勝利宣言までして、ちょっと愛のムチが、厳しかったか?と思ったが、自分の釣りを見つめ直す、きっかけとなることを祈りつつ、アヒル倶楽部事務局に戻る。事務局で留守番をしていた、谷口オヤジ名誉会員に、本日の結果を報告する伸チャ。「小さいアマゴが多くて、針を飲み込まれてしまう」と、なげくと、オヤジ名誉会員が、「飲み込まれる前に、釣ればいい、飲み込まれるまで判らないのはアカン」と厳しいお言葉。「老眼でテンカラ毛針が見えないから、どこで魚が出るのかわからない」については、「はじめからテンカラは見えない。見えないのを見ても仕方ない。魚が食べれば、アタリが来るからわかる」と、これまた尊いお言葉。うーん。と腕を組んで、また考え込む伸チャでありました。