九頭竜の大物はガセネタ?

 

8月15日(水) 14日、九頭竜の久沢に行き、戦意喪失した事務局長に、さらなる悲劇が。それはアルツ石川からの携帯電話からはじまった。

 アルツが言うには、

「会社の同僚のKくんはルアーをする。彼はこのところ九頭竜ダムで、60pのレインボーと40pのブラウンと、シルバーサーモン、その他色々釣れまくりだと言うんだよ。日の出から午前8時半までらしい。その間にライズもバシャバシャあるんだ。Kくんはライズしているからフライでも釣れるんじゃない?とか言っている。行こうぜ」

てな事を事務局長に興奮しながら話す。事務局長は、

「そんなハズはない。だいたい、九頭竜ダムにニジマスはともかくブラウンはいない。大昔は入れたことはあるらしいが近年、そんなブラウンが釣れたという話は聞いたことはないし、ましてシルバーサーモンなんていないし、60pも眉唾モノだ」

と相手にしないが、さらにアルツ石川君は、

「Kくんは、もともとブラックバスだから、トラウトのことはわからないだろうから、銀化したアマゴやヤマメの大物は、サーモンになっちゃうんだよ。場所を訪ねても、それは言えないというんだ。怪しいだろう?荷暮川もやったか?とカマかけると荷暮でも釣れますよ。と言うんだ。ポイントはカケアガリだというんだよ」

「そんなの当たり前じゃん。ルアーでやるなら、馬の背、カケアガリだろ? だけど、フライはバックがいるから、ルアーのようにはいかないよ」

と、言っても、ライズが見たい。ライズしていりゃ釣れる可能性もある。と、もっともらしい事を言う。そして、

「夜明けから午前8時までならいいだろう? 明日(8/15)午前3時に迎えに行くよ」

という事になって、またまた、九頭竜に行くことになった。

 

 午前2時半に起きて支度して3時になるが来ないから、携帯すると、「今から行く」と寝ぼけた声。しまった、そのまま寝かせてりゃよかった。と思うけど、万に一つでも、本当にライズがトラウトなら、やってみたい気もする。こまったもんだ。と、自分でも思う。

午前3時20分出発。車内で、やっぱり九頭竜ダムのポイントとして一番実績があるのは、石徹白ダムからの水が落ちている、大谷橋の奥だろう。とりあえずそこへ行くことにした。画像をみてもらえばわかるが、減水していて、カケアガリがもろ露出している。アルツくんがモスキートハットをかぶっている。「おまえいいもの持っているな」 と言うと、そこに落ちていたと言う。事務局長が頂く。

 向こう側なら何とかなりそうなので、事務局長は、#7のシューティングロッドにタイプ2そして、6番程度のストリーマーでやる。アルツ君は落ち口の前で、#6のロッドにシンクティップライン。ニンフのようなウエットのようなのをつけてやる。Kくんの言うように、ライズはある。が、それがトラウトのライズとはとうてい思えないけど。釣っていないので何とも言えない。2人で1時間。尺程度のニゴイと25p程度のハスをそれぞれ1匹づつ釣る。ハスは九頭竜ダムに結構いるよ。こいつはよく引くし、夕方ライズもするから、流れ込みで釣ると楽しい。はじめからハスを釣る気ならいいけど、それはトラウトを釣りに行ってハスだと、「こんなハスじゃなかったのに」となる。

 ルアーマンが来ていないのが気がかりだ。人気ポイントなんだから。やっぱりここじゃないのか? じゃあ、荷暮に行こう。と、アルツくん。それで荷暮に場所替え。荷暮のポイントはバックウォーターの手前に左から流れ込んでいる小さな谷があるが、その流れ込み付近がポイントのはずだけど。でも、この渇水でその谷は伏流していて、とてもやる気にはならなかった。アルツくんは、早々にロッドを渓流用に変更して、バックウォーターから、チャラ瀬を釣り上がる。彼は昔、こうしてチャラ瀬を釣り上がったらダム上がりの28pアマゴを釣ったことがあるからねぇ。でもその時は6月だったよね。しばらくして、見込み無いと解ったらしく戻ってくる。事務局長は、「帰ろう」 と言うが、アルツ君は「11時に、美濃市のニュー柳家で、トンチャン食べるから、それまで時間潰す」 との事。あと、3時間はあるよ。しかたないので、荷暮川を上流へ。昨日、久沢や、牛道源流で、どうやら「盆隠れ」 のようだ。と悟った事務局長。今日も、見込みのない釣りをするのかと思うが、釣り以外で3時間潰す方法が見つからないから、しかたない。

 はじめに、荷暮川の旧部落前で合流する根暗谷に入る。以前はブッシュがひどくて難儀したけど、あの集中豪雨で岸が洗われて、やりやすいチャラ瀬になっていた。林道からのぞくと、チビアマゴが走って逃げる。しかし、いざやってみると、全く反応無し。やっぱり昨日と同じだな。あきらめて、荷暮川にそった林道をアルツ君のレガシーで進む。第二堰堤から野々小屋谷の合流まで約2q弱。すばらしい渓相。中間部分はゴルジュ帯。自然林のなかの美しい谷であるが魚影は薄い。何といっても一度入ったら2q行かないと上がれないのがつらい。野々小屋谷の合流手前で林道は川に近くなるから、そこからやってみる。

久沢が壊滅していたのとは対照的に、荷暮川は以前とそれほど変わらない美しさを保っていた。自然林が残っているのと、源流の山を形成する岩石が違うのか、ゴルジュ帯があることからも、山自体が硬い岩石でてきているようだ。

 すでに朝、入っているような形跡がある。まー、しかたない。ほどなくして野々小屋谷合流。そこで、アルツ君にヒット。といっても10p足らずのチビアマゴ。野々小屋谷には入らず、そのまま進む。相変わらず渓相はいい。Aランクだ。これで、多少なりとも釣れれば満足だが、昔から春先から後が続かない荷暮川だし、魚影は薄いし、渇水で、「盆隠れ」だし、と、いいわけはよく釣れるが、実際釣果なし。岩魚の15pでも1匹くらいと思ったが甘かった。300メートルほど進んで、お時間となりました。本日終了。50メートルしかやらないアルツ君はすでに車に戻っている。帰りの林道をトボトボ歩く事務局長。どこからともなく、甘い香り。砂糖が焦げるような、わた菓子を作るときのような臭いがする。これは、カツラの木が出す香り。カツラの葉が落ちてその葉の付け根からにおうらしい。これをかぐと、秋が近いと思う。山で、秋に匂うからね。ふと見れば、ソバナだ。清楚で美しいな。どうやら、山には初秋の気配が静かに訪れているようだ。今年もあと1ヶ月だなぁ。