2005/05/15

 

山田伸チャ復活記念釣行

 

伸悟のバカヤロー。あれほど「釣行記はおまえな。」と言っておいたのに、いつまで たっても送らないものだから、オイラにお鉢がまわっちまったじゃねーか。 最近はアルチューハイマーが進んで昨日の夜に何食べたかさえ思い出せないのに、2 週間も前のことなんて記憶の彼方だぜ、全く。 ふ〜・・・。

 

5月15日()  前日の土曜日、伸チャが仕事場にやってきて、コーヒーを飲みなが ら特に何する訳でも無く時間を過ごしていた。

そのうちオイラは仕事に入ったが、そこにいた女房が気を利かして 「伸チャ、明日はどうするの?」 と聞くと、「いや別に何も ないけど・・。」 と答えた。そこで更に気を利かして 「伸チャが明日、一緒に釣りでも どうですか?だって・・・」 とオイラに言ったので、「いいですねー。」

と答えると、「ほんじゃ明日な。」 とニコリともしないで帰って行った。

 素直じゃないんだよね、いつもそうだけど。たまには自分から誘えよ。女房に言わせると、あんな風でも皆にかわいがられるから、伸チャは人徳があるんだそうな。ほんとにそうかね〜?

 

 とか何とかあって、翌5月15日朝6時(オイラにしてはべらぼうに早いが、伸チャにしてはべらぼうに遅い)に伸チャの工場(こうば)へ迎えに行く。そそくさと荷物を積み込ん で出発した。

 さてどこへ行こう。板取の本流は釣れる気がしないし、伸チャの渓流竿 の入魂もしなければ。とりあえず長良川の上流でも行こうということになり、高鷲インターまで高速を使った。思っていたところは既に車が止まっていたので、更に上流へ。ここでは伸チャの新しい長竿は使えそうもないということで、仕方なくいつもの おんぼろ竿を手に川へ下る。「あれ、軽トラが。」伸チャが車内を覗く。「あかん、 竿袋がある。」今更戻ってもどこへ行くんだということになりそうなので、かまわず降りていった。どうやら人影はない。伸チャは下から入るという。オイラがロッドを セットして、さてと川へ降りたとたん、「たった今準備が終わりましたっ。」という 感じの餌釣りさんが立ち上がった。聞くと「すみませんこれから釣り上がるんです。」と申し訳なさそうに答える。

 伸チャは下にいるし、迷って餌釣りを見ていると あっという間にアマゴを3匹釣った。18pくらいか、大きくはないが、それにしても一つの淵で3匹だよ。5分早ければ あいつらはオイラの獲物だったのに、たぶん・・・。それもこれも伸悟のバカヤローが悪い。ここに到着し車を止め、支度しようとした瞬間に「あっ、餌買うの忘れた。」と、ぬかすものだから、コンビニまで戻ってだいぶ時間をロスしていたのだった。

 伸悟が戻ってきた。やはり驚いている。二人とも餌釣りなら夜明けから入って、もうだいぶ先へ行っているに違いないと思っていたのだ。 どこまで釣るのか聞いてみると、支流の出会いまでを釣るという。場を荒らさないよ うに行くので、その先から釣らせて欲しいと頼み込んでOKをもらった。釣る距離は ずいぶん短くなるが出来ないよりは良いに決まっている。慎重に出来る限り河原を歩いて上がっていくと、先に釣り人の姿だ。まだ出会いまではだいぶある。話してみる とオイラ達が出ようと思っていた橋から入って、ここまで釣り下がってきたそうだ。 ガックリ。ビクの中を見せてもらうと23pはありそうな体高のあるアマゴをはじめ まずまずの釣果だ。「ああ、ここにもオイラのアマゴが・・・」。地元らしいその餌釣り師は、下から来たオイラ達と出会ったからもう戻ると言う。ここから釣りはじめ ても同じ事だろうと思ったが、しかし約束は約束。やはり出会いを過ぎてから釣ろう ということにして更に上流へ。

 出会いを過ぎて釣り始める。気分は萎えかけている。 伸チャの竿には何も当たらず、餌も減らないといっている。「渓相は良いんだけどな〜。」といつもの伸チャ節。オイラにも一度魚が出たきりで出渓点へ来てしまっ た。川から上がり、以前見つけてあったポイントで山ウドを少々採った。

 車まで足取り重く、トボトボと返る。しかし伸チャは化け物か、4ヶ月前に病院内を ヨタヨタと歩いていた奴と同一人物とは思えない健脚だ。

 まだ釣りをした気がしない。伸チャが女房に内緒で買って、すぐにばれてしまった ゼロ釣法のダイワの竿も日の目を見させなければならない。二日町あたりなら川は広 いから大丈夫だろう。その代わり人は入れ替わり入っているから期待はあまり持てないが、「どうせ伸チャと行った釣りでいい思いなんかしたこと無いからおんなじだぁ。」っていうノリで川に入った。 例によって伸チャは下から入るという。しばらく釣り上がっていくが反応はない。ふと下を見ると、

あれ、伸チャがしゃがんでいる。「あう、釣りやがった。」あの格好は捌いている時のスタイルだ。滅多に見ることはないが。 急いで上へ釣り上がっていくと良さそうなプールがあった。散発だがライズがある。 ダウンクロスでまず#18のCDCダンを流すが、知らん顔だ。あれこれと取っかえ 引っかえ投げまくるが、一度つつかれただけで出ない。ヤケになってどぎついピンク のインジケーターが着いた#16のパラシュートを投げると、出た。「へっ、このフ ライに出るわけ?」とか思いながら寄せて、すくい上げた。小さいなー、でもライズ はライズ。それに本流アマゴはチビでも体高がある。「でかくなったらまたおいで。」とご丁重にお引き取り願った。良かった、これで1対1になった。

 腹が減ったと思ったら、もう1時半になっている。 またまたラーメンでも食べようということになり、「しのわ」へ行ったたら本日休業の札が出ていた。はじめていく店だが少し気になっていた「まるや飯店」に入ってみた。伸チャは味噌ラーメン、オイラは中華飯を注文し、もちろん生ビールで伸チャの復活を祝うことも忘れなかった。味はまずまずだろう。地元の人がよく入って来ることがそれを証明していると思う。

 さすがに疲れたので、帰ることにした。下道を通り、のんびりと帰る途中、珍しくまじめな話になった。 自分が病気になり、一時は命の危険にもさらされた。父親が亡くなり、つい最近母親の妹だかが病死し、父親の死には泣かなかったが、おばさんの死には涙が止まらなかったそうだ。  どうやら死というものと向き合って人生に虚無感を感じているらしい。って、普通そんなものは思春期に済んでるんじゃないの。化け物と言われるほどの健康体だったので、そうした虚しさや、寂しさとは無縁の生き方をしてきたらしい。ここへ来て人生、明日のことは分からないという、真実に目覚めたということだろう。 ひとしきりそうした話をした後は、また損するばっかりの株の話でもしながら帰ってきたんだっけ? 忘れちまった。