2006/09/23

 

坪さんの泣き尺

 

 9月23日() 禁漁が迫ってきたが、「禁漁前にもういちど一緒に行こうぜ」という伸チャとの約束がまだ果たせていない。


前日に電話して誘ってやった。


絶対にうれしいはずなのに「オラはええよ・・」だと。朝早すぎるのはいやなのだが、精一杯妥協して4時半の出発とした。


行き先は長良川の上流。いつものように下らない話をしながら高速を飛ばして現地に着くと、入渓予定地にはすでに4駆が止まっていた。
やむを得ず下流に戻り、まだ薄暗いゴソゴソをライトを頼りに強引に降りた。
先行者さえ居なければ頭をはねられることはないはず。
ウシシ、どうやら先行者無しの模様だ。
これで爆釣間違い無しと脳天気に爆釣を予感して釣り始めるが、アヒル倶楽部の事とてそんなにうまく行くはずもない。

肌寒いほどで、伸チャは「寒い、寒い」を連発するが、寒いのはおめーの懐とギャグだよ。
日が昇り、日差しが差し始めるとともに、少し反応が出始めた。


伸チャがチビアマゴを釣った。


オイラもチビを釣った。

 


伸チャはその後もチビばかりを選んで釣っているが、オイラには反応すらない。一度、沈めたフライに寄ってきた魚を見たが、食うまでには至らなかった。


時刻は既に7時を過ぎていた。


枝谷の堰堤から落ちてくる流れとの出会いに気がついた。もしかしたら釜に魚がいるかも知れないと思い、少し離れてはいたが行ってみた。

そーっと覗いてみたが魚の姿はない。それどころか釜と言えるほどの深さではない。
ただ岩の下がえぐれたようになっていて、魚が付くならあそこだろうと予想した。
もう少し水量が多いときに上がった魚ならまだいるかも知れない。最近実績のあるEHCの夏バージョンを少し沈めて流してみると、一発で出た。

掛軸さん作のバンブー・YAMAHISUIがぐーんと曲がり、思いの外でかい事が分かった。なかなか寄ってこないので、なかば強引に竿をたててすくい上げた。ネットに入った姿も立派だった。

 


平然とした振りで伸チャのところへ歩み寄り見せると、一度「ほおーっ」と言ったが、続いて「立派なニゴイだな」と言いやがった。


知っている人は知っているが、掛け軸ロッドには尺の目印が付いている。ところがグリップの先端から目印までが尺だったのか、それともフックキーパーの付いたスレッドの先端からだったのか記憶がない。スレッドの先端からなら余裕で尺越えという事になるし、グリップの先端という事になると僅かに足りない。伸チャが無言で差し出したメジャーで測ってみると29.5pで如何にもアヒル的な落ちであった。


その後たいしたアタリもなく出渓地点に来てしまった。


時刻は11時頃だった。


川から上がり車までとぼとぼと歩いて戻った。


ビールを飲みながら伸チャが局長に電話すると、局長は石徹白で昼飯でも食べようという。その時に山本鱒師が朝のうちに41センチを超えたサツキマスを釣ったと言う話を聞いた伸チャは、こう叫んだ・・・・


「しまった!! 行く先と、一緒に行く相手を間違えた!!」