2007/07/16

あんたのおかけで・・・

 

7月16日() まぁ、長い話だが、ちょっと、聞いてくれ。

うちのクソオヤジの事だけど。最近テンション上がっちゃってさぁ。ちょっと前まで死にそうな顔していたのに。ホント、119に電話したり、夜間診療に駆け込んだりして・・・さ。いっくら、最近調子がいいといっても、もう歳だし、いつ具合が悪くなるかもしれん。

そんなヤツが、「釣りに行く」って言うんだぜ。1シーズンに1.2回ほど、オイラの監視の下で、ちょっと気分転換程度ならいいけどさぁ〜。

「オレ、一人でも行く 」なんて言われたら、「あっそー」っては言えないじゃん。それで、結局、介護釣行になっちゃうわけよ。本当は、掛け軸さんが南部鉄器で炊いたコシヒカリに事務局長の、カシミール地方の本格的インドカレーをぶっかけて食べつつ、ビールなど、グビグビして、「いやー・・・いいですなぁ・・・・」とまったりするハズだったのに・・・。掛け軸さん、前回といい、今回といい、スマンコッテス。

でも、まぁ、親孝行だし、しかたないか・・・。とオヤジと出かけたわけよ。

知っての通り、台風4号が近くにやってきて、一応大雨など降らせたもんで、どこも大増水。本流なんてすごいの一言。で、谷に逃げたわけですな。マンネリだけどアヒル谷中段の部に行ったのよ。

いつもの杉林の中を降りて行こうとするが、クソオヤジのバカヤローが、「そんなとこから行くと、遠くなる」って言いだして、さっさとヤブを強引にかき分けて直に降りていくから、ほったらかすわけにもいかないので、一緒に降りる。ネマガリタケの薮で、二人して転んで降りていったのよ。谷に近くなって、オラはアジサイがきれいだったから、ちょっと写真を撮るから待て。と言ったけど、ヤツはさっさと行ってしまった。

オラは今日、大切な新バンブーの入魂の儀式なわけで、薮こぎして行きたくない。それでアジサイから下流へ回ってヤブを逃げて、いつものところに降り立ち、新バンブーの喜びを噛みしめつつ、リールをセットしてラインを通してフライをセットした。オヤジはヤブを漕いで行ったのでもう少し上流に降りたはずだ。

アヒル谷もすげー水だった。新作のカディスに反応があったけど掛からなかった。

先行しているクソオヤジに追いつくために、ペースを速めて、打ちながら行くが、姿がない。そんでもって、釣っているという形跡がない。いくら餌釣りの竿が長くて、立ち込まなくてもいいにしても、この石に乗らなくては先へ進めないっていうのはあるだろ?その石がシューズで濡れていないとなると、先行していないのか?と思う訳よ。

んじゃぁ、オヤジはどうしたのか?どこへ行ったのか?スゲー水だから、竿が出せないところは山を巻いてもっと先へ行っているのか?と、もう少し先へ行ってみるが姿無し。

薮こぎの最中にコケたか?または具合が悪くなったか???と、心配する。オーイ・オーイと呼べども、増水の谷の音に消されて届くはずもなし。

アジサイの場所まで戻り、オヤジが薮こぎした跡を辿ることにしたが、姿はなく、どうも川に降りている形跡がない。ひょっとして下流へ行ったのか?と少し下流へ行ってみるが姿無し・・・。なにかあって、車に戻ったか?と急斜面を駆け上がって車に急ぐ。

車は見えたがオヤジの姿はない・・・

どうしよう・・・。

とりあえず、探さなくてはならん。4.5年前のオヤジなら、ほったらかしにしたが、今はそういう訳にもいかない。いっくら調子がよいと言っても、そこはソレだから・・・。

キーを出して・・・。あれ?キーがない・・・。転びながら降りていった時、落としたのか?

サイフの中からスペアーキーを出して、ロックを解除。竿とベストを放り投げて出渓点へ急ぐ。出渓点から下ってオヤジを探そう。

入渓点から出渓点まで、このルートはたいした距離ではない。大急ぎで谷に入り、下る。が・・・。やはり釣っているという形跡がないまま、とうとう一回りしてしまった。どこへ消えたのか???谷に倒れ込んで流された??今日の水量なら流されていってもおかしくはない。が・・。なんとなく、足跡を発見。そして、車の方角から、オーイオーイと呼ばれた気がしたので、また急斜面を駆け上がりつつ、転んだ場所を念入りに探したら、キーが落ちていた。よかった・・・。あれこれ、色々なキーが付いているから無くすとたいへんだ。

再度、車に戻ったが、オヤジの姿はなかった。が、今度は谷の方でオーイオーイと声がする。また、出渓地点へ駆け下りて、谷を下る。やっとこせ、クソオヤジ発見。普通にしていた。

てめーこのやろー。勝手な事するな。と、激怒。と同じくらい安堵。

話を聞けば、事務局長が、岸辺で新バンブーにラインを通している時、後ろのヤブを通って、ずーと下流へ行ったらしい。一声掛けろ。バカヤロー。

で、下流でテンカラ振ったら、みごとに木の枝にひっかかり、また結び直して、振り込んだら、ひっかかって、を3回やって、あきらめて、チョウチン釣りにするために、餌釣り竿を出して、座り込んで仕掛けを作り直していたらしい・・・。それで、事務局長に追いつくのが遅れたそうだ。そんな事をまったく知らない事務局長は、最悪の事態も考えつつ、あちこち探し回っていたという事だ。オヤジも事務局長に追いつくために、昔の畑の跡を歩いて上流へ行ったりしたので、谷を遡行しながらオヤジを探していた事務局長と、すれ違っていたであろうが、お互い気づかなかったらしい。

てめーは、いっつも勝手な行動をしゃあがる。昔のおめーなら、オラも置いていくが、今は、おめーの姿が見えなかったら探すから、「いつもお互い確認できる位置におれ」と説教垂れて車に戻ると、

「あれ?オレのテンカラ竿が無い・・・」

と言い出すバカオヤジ。どこかで、リュックから落ちたらしい・・・。

「ええかげんにせーよ・・・・」

と、いう間も無く、目の前のヤブにダイブするオヤジ。落としたところは目星が付いているらしい。またまた、そこへ直降するとて行ってしまった。そのままにしておくわけにもいかず、追いかける。が、途中で姿を見失う。しばらくして、無事にダイワのテンカラ竿を回収したらしく、あさっての方向から山を登ってきた。もう、そんなところまで行っていたのか???。このやろー、具合が悪いというのは、ウソじゃねーのか???

あー、なんやってんだろう・・・。もう12時近いぜ・・・。くどいようだが、新バンブーの入魂式なんだぜ・・・。あーケチついた。場所替えだ。場所替え・・・。

 

−続く−