この600m防水のプロフェッショナルモデルは飽和潜水を念頭に置いて設計されている。居住施設内で18時間過ごしたのち、私の体は窒素で飽和状態となり(体は深さで平衡状態になるためにガスを放出する)、SBGH255を腕に装着して初めての飽和潜水を体験することが許されるのだ。
SBGH255入門編
SBGH255はセイコーグループのあらゆる組織によって製造された最高のダイバーズウォッチで、グループ全体を通して最高水準の技術と仕上げを施した時計づくりを担うグランドセイコーから生み出された時計だ。時計全体はシグネチャーでもあるザラツ研磨が施されたグランドセイコーの高強度チタンで構成されており、内部には毎秒10振動、日差+5〜−3秒の精度を備えたプレミアムキャリバーであるハイビートの9S85を搭載している。
東京のグランドセイコー商品企画チームによれば、SBGH255はグランドセイコーのなかでもほかのダイバーズとは一線を画すダイヤルを採用していると言う。メールでのインタビューでは「通常、グランドセイコーでは高い耐磁性を実現するためにダイヤルの下に純鉄を敷き詰めた2層構造になっています。SBGH255ではこの2層構造を避け、薄さを確保することに成功しました。SBGH255は特別設計の純鉄ダイヤルにより、1万6000 A/mの耐磁性を実現しています」と答える。
SBGH255は2017年に初めて発売されたが、時計のその特殊性の高さから、近年のグランドセイコーの隆盛に関する話題の最前線に上ることはなかった。ダイバーズといえばグランドセイコーではなく“セイコー本家”のイメージが強いが、セイコー(とグランドセイコー)の愛好家としてはグランドセイコーのダイバーズがもたらす無限の可能性という結果を評価しないわけにはいかない。もちろんデザインの文法に従う必要があるが、SBGH255はスタンダードなセイコーダイバーを11倍にし、セイコーグループが提供する最高のものを詰め込むとどうなるか、というモデルなのだ。110万円(当時の税込価格。現在は生産終了)という価格では次なるタートルにはならないが、そうなることを意図したものではない。
SBGH255は幅46.99mm、厚さ17mmのケースを持つ日本が生んだ最強のダイバーズウォッチだと私は思っている。本当に大きい。しかしこのモデルはチタンのザラツ研磨(加工が難しいことで有名)だけでなく、ハイビートのCal.9S85や複雑なケース構造などのあらゆるスペックを限界まで高め、グランドセイコーの技術力を示すために設計された“ハローウォッチ(アイコン)”であると理解することが重要だ。オメガのプロプロフ、ロレックスのディープシー、セイコーのツナ缶もそうだが、この時計は日常的に使える時計ではないだろう。
生産終了となったSKX007であれ、最新のSRPD25 “モンスター”であれ、普通のセイコーダイバーとはその完成度に大きな隔たりがある。SBGH255に関しては比較対象が少ないが、私はプロプロフ、あるいはシードゥエラー(どちらも防水性は約2倍ですが)と同じグループとして扱いたいと思う。これらは各メーカーのダイバーズウォッチに最も焦点を絞った表現であり、特に深海環境での着用と機能性を追求している。
深海のような環境ではないが、私はSBG255をせめて設計された環境にできるだけ近づけることを決意したのだ。
バク流行トレンド URL 2022年01月14日(金)18時12分 編集・削除
2022年とこにでも有るのバク流行トレンド